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道徳的怒りは注目だけでなく積極的な関与も引き出す:YouTubeにおける日米のマルチモーダルな道徳感情分析

本研究は、YouTubeのニュース動画において、サムネイル画像とタイトルを組み合わせたマルチモーダルな分析を行い、道徳的感情のフレーミングがユーザーの関与に与える影響を韓国と米国の比較を通じて調査した。

道徳的怒りは注目だけでなく積極的な関与も引き出す:YouTubeにおける日米のマルチモーダルな道徳感情分析 の図解
論文図解

TL;DR(結論)

本研究は、YouTubeのニュース動画において、サムネイル画像とタイトルを組み合わせたマルチモーダルな分析を行い、道徳的感情のフレーミングがユーザーの関与に与える影響を韓国と米国の比較を通じて調査した。 他者を非難する「道徳的怒り」の表現は、単なる視聴回数(注目)を増やすだけでなく、高評価やコメントといったより積極的な「関与(コミットメント)」を強く引き出すことが明らかになり、その効果は受動的な視聴よりも能動的な反応においてより顕著である。 この傾向は韓国と米国の両方で共通して見られ、道徳的怒りを利用した戦略は注目を集める上で非常に有効である一方、集団間の分断を助長し、社会の極性化を深めるリスクがあることが示唆されている。

なぜこの問題か

現代のソーシャルメディアプラットフォームは、人間の注目がデジタル市場における主要な通貨として機能する「アテンション・エコノミー(注目経済)」の中で運営されている。プラットフォームは広告を通じてユーザーの関与を収益化するため、より強い相互作用を生み出すコンテンツを優先する傾向がある。このような競争環境において、道徳的な要素を含んだコンテンツは、ユーザーの参加を促す強力な原動力として際立っている。これまでの研究では、道徳的・感情的なコンテンツが広く拡散され、市民の参加を促し、オンライン上の議論における極性化を激化させることが示されてきた。また、道徳的感情は誤情報の拡散を加速させる要因としても指摘されている。 しかし、既存の研究には主に二つの課題が残されていた。第一に、これまでの研究の多くはテキストベースの単一のモダリティ(ユニモーダル)なアプローチに依存していた点である。実際の人間同士のコミュニケーションやデジタルプラットフォームは本質的にマルチモーダルであり、画像とテキストが組み合わさって聴衆の反応を呼び起こす。…

核心:何を提案したのか

本研究の核心は、YouTubeのサムネイル画像とビデオタイトルの両方を考慮した、マルチモーダルな道徳感情分類フレームワークの開発と、それを用いた大規模な実証分析である。研究チームは、視覚と言語を統合して処理できるマルチモーダル大規模言語モデル(MLLM)を活用し、人間がアノテーション(注釈付け)したデータに基づいてモデルを微調整(ファインチューニング)することで、高精度な分類器を構築した。分析の対象として、2024年1月から12月までに韓国の7つの主要ニュースチャンネルと米国の16の主要ニュースチャンネルからアップロードされた、約40万本の動画データを収集した。このデータセットには、サムネイル画像、タイトルテキスト、および視聴回数、高評価数、コメント数といったメタデータが含まれている。…

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